台湾の思い出

ちょっと遠くのスーパーまで歩いて買い物に行ってきた。

横断歩道を渡っているときに、「車側の過失で事故にあったらいくらもらえるのだろう。」などと一瞬だけぽわんと頭に浮かんだ。

 

数年前に友人と台湾旅行のツアーに参加した時の現地係員さんの話が印象的でときどき思い出す。

台湾のどこにでもある虹色のネオンの看板を掲げている店は、ガム屋さんで、ただのガムではなく、眠くならない麻薬的なガムを売っているそうだ。ドライバーなどの眠気が大敵の職業のほとんどの人はこれを噛んでいるらしい。私たちを乗せたワゴンの運転手さんも例外ではなく、このガムを噛んでいるそうだ。だからこのガム屋さんを家業にしている家系は一生職に困ることはないと言っていた。

しかしこのガムには、病気の危険性があるらしい。ほっぺに穴が空くとか言っていた気がする。全員がもれなく病気になるわけではなく、ならずに一生を終える人もいるので賭けみたいなものだが、それを知ってもなお噛み続けているらしい。日本でいうタバコみたいなものだ。「運転手さんは、奥さんも子供もいるのに…。」と係員さんはちょっとだけ心配そうにその話をしていた。

うろ覚えの記憶だがそんな話をしていたのを思い出して「台湾ガム売り」で検索したら、そのガムはビンロウというらしい。そして病気というのはガンだということを知った。

 

そういえば台湾のツアーの中でお寺に参拝するという予定があったのだが、自由参加なので私は参加しなかった。

雰囲気的に流れでみんな参拝する感じだったのに、私はあえて参加せずふらふらしていた。私が何か特別な宗教を信仰してるというわけではなく、お寺に行くまでのバスの中で、そこでお願いをすると願いがかなうという話と、かなったら再びお寺にお礼に来るという話を聞いてしまったからだ。

もしも願いが叶ったら台湾のこのお寺までまた参拝に来ることができるかどうか、などと考えたら来ることはない気がしたからだ。我ながら信心深く律儀な性格だと思う。信心深いゆえに参拝できなかったのだ。

だから私は日本にいてもやみくもに神にお願いしたり、おみくじやお守りを買うのを避けてしまう。だけどお寺や神社は好きだ。教会を見学するのも好きだ。そういう場所に行って参拝しないのはいけないことなのだろうか。

初詣は好きなイベントなので毎年健康とか周りの人の安全とか無難なことをお祈りしている。

 

何の話だったのか、交通事故はやっぱり人に迷惑がかかるし、何より痛いだろうからそういうことを考えるのはよした方がいいということか。そういえば交通安全はお祈りしたことがないな。